待望のグランドセイコーからのクロノグラフ、SBGC001です。
グランドセイコーの名のもとにおいてクロノグラフ動作時の精度低下は意にそぐわないのか、従来の脱進器ではなく最も高精度であるメカニカル、スプリングドライブで作成しました。
セイコーには「6S」という日差±10秒~15秒という大変すばらしいクロノグラフムーブメントを持っています。
にもかかわらず、あらたにスプリングドライブにクロノグラフを与えグランドセイコーのラインナップに加えた、ここにセイコーの意気込みと大いなる自信が感じられます。
まず目を引くのが大きなプッシュボタンです。
ロック機構がついており操作時にロックを回して使用します。誤動作を防ぐ為の機構になります。
大きいだけありスムーズにそしてしっかり感のあるスクリューロックです。
そのプッシュボタンですが、その押し加減が軽すぎるでもなく硬すぎるでもない、程よい程度になっています。
クレドールのクロノグラフでもそうでしたが、セイコーはこの押し加減に特に神経を注いでいるようです。
押せば納得のクリック感です。
そしてスモールダイヤルの配列です。
左側にスモールセコンド、右側にはクロノグラフ(ストップウオッチ)の表示、そしてシルバー色の針とブルー色の針で機能によって色を替えてそろえています。
一見見慣れない配列なので始めは違和感を感じますが、合理的な配列の為かものの数分で慣れてしまいます。
道具としての機能美の探求がここにもみられます。
また赤い矢の針は24時間針になり、いわゆるGMT機能になります。
通常の時間針だけを一時間ごとに動かす事ができますので操作も複雑ではありません。
さて、そんなセイコーが世に送り出したクロノグラフですが、裏蓋がガラスになっていますので9R86ムーブメントを見る事ができます。
シレッとコラムホイール(ピラーホイール)を見せているあたりが「今回の売りはココではないよ」といわんばかりです。
今回はスプリングドライブはもちろんの事、「垂直クラッチ」がキモになります。
クロノグラフには時を表すための「時間系」とクロノグラフ(ストップウオッチ)の「計測系」の二系統の機械が組み合わさっています。クロノグラフ動作時に初めて「時間系」に「計測系」がつながります。
この時従来の方法では歯車と歯車がつながる時に遊びがあり、それが「針とび」という現象が起こりやすくなります。
そこでその接点にクラッチを用いる事でその「針とび」を無くしました。
簡単に言えば歯車のかわりに板と板を合わせる事で動力の伝達を行い、歯車の遊びがなくなるので「針とび」が無くなるという構造です。
今ではジャガールクルトやロレックスなどスイスの時計メーカーなどでも使われていますが、初めて実用化したのはセイコーなのです。それも1960年後半の時代に61系キャリバーに搭載されていました。
この時代からセイコーは高精度、高機能、高品質を追い求めていたのでしょう。
ブレスレットの金具には取り外しの行い易い両ボタンタイプのバックルになります。
腕への装着感は大きさ、厚み、そして大きなプッシュボタンのため大きく感じられます。
最近のデカ厚時計と比べるとまだまだマシではありますが、グランドセイコーとしては結構大きめです。
この大きささえ許していただければ、セイコーの渾身の作品を日常使いとして是非ご使用頂きたいところです。
きっと満足して頂けると思います。
グランドセイコー スプリングドライブ クロノグラフ
Ref.SBGC001 ¥787,500- (2011年1月での消費税込の価格)
キャリバー9R86 72時間パワーリザーブ 自動巻スプリングドライブ GMT機能付クロノグラフ パワーリザーブ表示機能 平均月差±15秒(日差±1秒相当)
ステンレススチールケース 直径 43.5mm 厚さ 16.1mm 重さ 187g 日常生活強化防水(10気圧) 耐磁 ガラスバック
テーマ:腕時計 - ジャンル:ファッション・ブランド
- 2011/02/13(日) 17:57:06|
- グランドセイコー
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